feel

雨の雫がアスファルトに弾ける音、
クーラーの室外機が低く唸る音、
自動車が水たまりをHITする音、
雷鳴が轟き大地を振動させる。
14インチテレビのモノラルスピーカーから漏れる安っぽい音、
階上の住人が、そこに住んでいる事を伝える微かに聞こえる生活音。


本来、それら全てのサウンドが、耳の中に洪水のように流れ込んでいるはずなのに、
全ての音を感じていながら、音の洪水に溺れずにいる。
慣れる事で、そのほとんどを意識の外に追い出している。
まるで感じてさえいないように。


音だけでなく、五感に様々なメッセージを浴びている。
なのに僕の身体は、それをほとんど意識する事も無い。
まるで感じてさえいないように。
慣れる事でいろんなものが見えなくなる。